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2007年10月19日 (金)

修理実例(面の一・その1)

こんにちは。田原剣道具店WEB担当田原です。

前回より大分開いてしまいまして申し訳ございません。前々回(10/7)にもちょこっと書いた店の活動がやたら難儀な事になっているのと、あと純粋に修理仕事が多くてブログまで手が回らない状態になっておりました。

正直、しばらくはこのペース(ブログ更新が週1前後)での運営が続きそうです。出来る時と出来ない時の差が激しいのはこの商売に限らないとは思うのですが、如何せん仕事が手仕事メインな上に、それ以外を特盛追加と言う状態ではどうしても更新は控え気味になってしまいます。

まあ、それはさておいて、今回から「面修理の実例」を掲載致します。それも大修理「仕立て直し」です。大分長丁場になると思いますが、お付き合い宜しく御願い致します。

2007101101 これが今回預かった面です。当店で仕立てた手刺一分五厘(1.5分)の面で、通常のサイズよりやや小さい作り(面金が通常14本ではなく13本)になっています。

 

 

2007101104 面の裏側です。面紐の当たる部分の布団が擦れて、中の赤毛布が露出してしまっています。

 

 

2007101103 頭の部分、中央よりやや右側の面縁皮が切れてしまっています。また同位置の面布団も革が擦れ切っています。

 

 

面縁皮がこう言う風に切れた場合、ほとんど修理のしようがありません。面縁に使われている生皮(きがわ)は素の状態ですとかなり硬い素材ですので、小手・手の内の修理のように当ててなんとかする、というのが殆ど出来ないのです。

無理やり紺革(または生皮)などで補強する、と言う事も出来なくも無いです(ぶっちゃけ労力とコストの割りに結果が伴わないのでお勧め出来ません)が、今回は依頼もあったので素直に分解して一から「仕立て直し」となります。

その際、問題のある部品はその都度修理して、可能な限り使う方向で進めます。そうする事でコストをおさえる事になるのと、使用者の方の使用感を可能な限り生かす事も出来るからです。ただし、部品の状態がある程度しっかりしていないと出来ませんが。

次回は分解作業に入ります。

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コメント

初めて拝見します。
家族が剣道をやっているので防具は身近なのですが、修理するときに「臭い」は気になりませんか?
また立ち寄らせてもらいます(^o^)/

始めまして、mttさん。
色々と勝手がわからずつたないページで申し訳ありません。

さて、修理の時の臭いは気になりませんか、と言う話ですがぶっちゃけますと「気になるけど気にしない」と言うのが一番正確な表現のような気がします。

私自身剣道を20年以上やってましたから、剣道具に臭いがつくのはもう必然だ、と認識しちゃってる所もあります。

それでも、最近は消臭スプレーの質も向上していますし、なによりクリーニング出来るので確実によくなってる面だとつくづく思いますよ。

修理をする立場として気にするのは、臭いよりむしろ状態の方で、汗で濡れている剣道具を預けられる方が微妙に困ったりします。

これからも宜しく御願い致します。

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