修理実例(面の一・その4)
こんにちは。前回より2週間以上あいてしまいました(汗。
まあ、遊んでいた訳では無くて、年末にかけて割と忙しくこっちにまで手が回らなかった、と言うのが正しいのですが。
前回までで大体分解が終わりましたので、仕込みと組み立てに入ります。
今回は土台となる「面金の仕込み」を紹介します。面金は顎・内輪部品だけでなく面布団まで固定する土台になる、まさしく面の基礎と言ってもいい部分ですのでしっかりと組み立てる必要があります。
まず、仕込みに入る前に、前回最後で外し終わったチタンの面金を洗って汚れを良く落としておきます。それから、土台となるクッション部分をつけていきます。
私はこうした荒めの麻紐をまとめたものを使っています。多いのは藁を束ねたもの、韓国製や中国製の安いものですと編み込みのナイロンロープを使っているものもあります。
これを面金の輪の部分に当て込み、ほぐしたナイロンテープを巻いて固定していきます。最後に固まりが出来ないように処理して、土台の下地作りは完成です。
下巻きが終わった土台です。これから更に紺生地をその上から巻きつけます。
右が巻きつける紺生地です。幾重かに重ねた藍染生地を面金に合わせて輪にしたものです。これを巻き込むように縫い止めます。
当店の仕込み(と言うか私が教わった仕込み)がかなりしっかりしたやり方であるのは間違いない所です。他の所では藁束を巻くのに生地を使って巻く事で、下巻きと生地巻きを同時にする形の方が多いです。
藁でなく麻を使うのは麻の方が丈夫だからです。藁製の中芯は水分の入り方や経年による劣化で腐食しやすい為、面の中芯を可能な限り丈夫に作るように心がけた結果でもあります。
さて、次回も仕込みを進めるつもりだったのですが、その前にちょっとした告知他寄り道をしますので、今しばらくお付き合い下さいますよう御願い致します。
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