修理実例(面の一・その2)
こんばんは。田原剣道具店WEB担当田原です。
「面・仕立て直し」作業第2回目の今回は、予定通り面の「分解」作業の前半を紹介したいと思います。
まず顎垂と、顎と面布団を固定している乳革を外します。ここの乳革は時折汗や負荷で切れる事がありますが、ここだけ直す事も可能です。
外したら、面布団をひっぱりつつ革包丁を当てて面縁皮を裂いていきます。この時、面布団を面金に縫い止めている糸も外して、必要以上に布団が傷まないよう注意しながら裂いていきます。
面縁皮を裂いている途中です。一度漆がのった生皮は水で戻す訳にも行かないので、硬いまま裂いていきます。
布団の他、使える部品は全部使う事になっていますので、この時点ではまず「面布団とそれ以外」に分解する事になります。
「面布団」と「それ以外(面金、内輪、天地、顎)」を外し終えた状態です。
ここから今度は、「面布団に残った面縁皮」を外し、「それ以外(面金、内輪、天地、顎)」をさらに部品単位で分解していきます。
今回は「可能な部品は極力使う」「面自体はさほど年数が立っていない&部品も極端な痛みは無い」と言った点を考慮し、部品を極力傷つけないように分解しなければいけません。とは言え、手順に特に違いが有る訳では無く、「部品交換」がある面でも分解や組み立ての手順は完全に同じではあります。
次回は分解作業の後半です。